ほとんどの人の口の中には、ミュータンス菌(虫歯菌)と呼ばれる虫歯の原因となる菌が棲みついています。この菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖を養分にして増殖します。
そこからグルカンというネバネバの物質をつくり出し、それらが歯に付着することで細菌の集合体が形成されます。こうして歯の表面に白い汚れとして溜まっていくのが、プラーク(歯垢)です。
また、通常の口の中は弱酸性なのですが、虫歯菌はグルカンを生成する際に糖分を含む飲食物を分解して酸を生み出します。この時、通常であれば30分~40分ほどで元の弱酸性に戻るように唾液の緩和作用が働きますが、糖分を含む物を頻繁に摂取すると酸性の状態が長く続いてしまいます。
すると、歯の表面のエナメル質のミネラル分が溶け出してしまう「脱灰」が頻繁に起こり、やがて歯に穴が開いてしまいます。これが虫歯のはじまりなのです。
現代社会において、日本人の90%以上が虫歯にかかっていると言われています。
多くの人が虫歯になったことがあるため、残念ながら「虫歯になっても治療をすればいいから」と軽くみられがちなのが現状です。
しかし、一度蝕んだ歯は元には戻りません。症状が進行するほどに、また治療を繰り返すほどに、大切な歯は次第にもろくなってしまいます。
当院では患者さんの大切な歯を守るために、可能なかぎり「歯を長持ちさせる精度の高い処置」を行うとともに、虫歯になってしまった原因を早期に解明し、再び虫歯を繰り返すことのないよう「予防」の大切さもお伝えしております。
当院では、患者さんの治療や麻酔に対する不安にもしっかりと向き合い、最大限の配慮と取り組みを行なっております。
「治療の痛みが怖い」「麻酔の注射が苦手」という方にも、安心して診療を受けていただいております。
歯は一度削った部分が元の状態に戻ることはなく、歯は削るほどもろくなってしまいます。同時に、虫歯の再発リスクも高まります。
当院では、患者さんの大切な歯を守るために、症状に合わせてマイクロスコープまたは拡大ルーペを駆使し、虫歯に侵されていない健康な歯の部分をなるべく削らない「MI治療(Minimal Intervention -低侵襲な治療)」を重視して行っています。
要観察歯とも言われる段階です。白く濁って見えますが、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
専門の器具を用いて歯の汚れをキレイにクリーニングしていきます。必要に応じて、適切な歯みがきの仕方などセルフケアの指導を行います。充分な手入れやフッ素塗布で再石灰化を促すことで、進行するのを抑えることができます。
歯の表面のエナメル質が溶け始めた状態です。冷たいものを口にした時に、しみる場合があります。
虫歯の部分を取り除き、削った部分にレジン(歯科用プラスチック)やインレー(詰め物)を詰めて補います。
エナメル質の内側にある象牙質にまで虫歯の感染が進んだ状態です。多くの場合において、歯が痛んだりしみたりするなどの症状を伴います。
虫歯の部分を取り除き、削った部分にレジンやインレーを詰めて補います。
歯の内部の神経にまで虫歯の感染が進行した状態です。この段階になると、何もしなくてもズキズキと激しい痛みを伴うことが多くなります。
汚染された神経を一部除去する治療(生活断髄法)や、汚染された神経を全て除去して洗浄・消毒してから薬剤を詰める「根管治療」を施します。その後、詰め物や被せ物で機能の回復を図ります。
根管治療についてはこちら歯の大部分が虫歯で崩壊してしまった状態です。歯の神経が死んでしまうことで一旦は痛みがなくなりますが、歯の根の先に膿が溜まると再び激痛を伴う場合があります。
ほとんどの場合において根管治療を行う必要があります。また、歯の状態によっては抜歯を選択するケースもあります。抜歯後は入れ歯またはブリッジ、インプラント治療を行うことで失った歯の機能回復を図ります。