深い虫歯や歯の亀裂、外傷などが原因により、歯が痛んだり歯肉が腫れたり、歯の根の中の周囲組織に炎症が広がるなどの症状があらわれます。
根管治療は、そうした歯の根の中の神経や血管(歯髄)が炎症や感染している際に行う治療法です。
過去に根管治療を行った根が、再び感染してしまった場合にも根管治療が必要となる場合があります(感染根管治療)。
根管治療は汚染された歯の根の中をキレイにすることで、その歯を可能なかぎり長く使えるようにする治療です。
同時に、根管治療は非常に高い精度が求められる治療でもあります。根管(歯の根の中)は細く複雑な形状をしており、形態や本数も患者さんによって異なるからです。
当院では、マイクロスコープや歯科用CTなど先進の医療機器を駆使し、高い技術を有したドクターのもと精度の高い根管治療を行っています。患者さんの大切な歯を残し、歯の寿命を少しでも延ばせるよう、あらゆる可能性を模索してご提案いたします。
根管治療は非常に緻密さが求められる治療です。そのため、事前の検査で根管内や顎の骨の状況を詳しく把握できているかどうかが非常に重要となります。
当院では、歯根や歯槽骨の状態を詳細に把握するために、先進の歯科用CTを導入して的確な診査・診断を行っています。
従来のレントゲン写真では、平面的な情報しか得られませんでしたが、CTを用いることで3次元の情報を得ることができ、多面的にお口の中の状況を詳細に把握することができます。特に難症例においては、治療成績の向上に大きく貢献します。
マイクロスコープは、元々は心臓外科や脳神経外科など医科の分野で多く使用されていたデジタル顕微鏡です。
このマイクロスコープを歯科に応用することで、最大20倍以上の拡大視野のもとでの緻密な治療が可能となり、治療精度を飛躍的に向上させることができます。
しかし機器を使いこなすには熟練の技術が必要であり、機器自体が高額であることから、現在の国内の歯科業界における導入率は数%とも言われています。当院では、実績を重ねたドクターがマイクロスコープを駆使することで、肉眼では届かないレベルまでこだわる高度な根管治療を行っています。
「ファイル」とは、歯の根の中の感染源を除去する際に用いる治療器具です。
従来はステンレス製のファイルが主流でしたが、ニッケルチタン製のファイルは非常にしなやかな特性を持つことから、複雑な形状の根管から緻密に感染源の除去を行うことが可能となります。
同時に、根管内を傷つけてしまうリスクを最小限に抑えることもできます。ニッケルチタンファイルは、アメリカをはじめとする歯科先進国においてはほぼ100%の普及率を誇る実績のある治療器具です。
当院では、より精度の高い根管治療をご提供するために、ニッケルチタンファイルにおいても確かな知識と技術を有したドクターが治療を行っております。
精度の高い根管治療を行うためには、無菌的環境のもとでの処置が不可欠です。
ラバーダム防湿とは、根管治療を行う際に歯にラバーダムというゴムのシートを掛けることで、術野に唾液等が入り込むのを防ぐ方法です。
アメリカなど海外の根の治療の専門医は100%使用していますが、日本ではこのラバーダム防湿を行っていない医院が多く、国内の歯科医院における根管治療の成功率が低い理由として挙げられるほど、重要な役割をもつ医療器具です。
当院では保険・自費診療ともにラバーダムを用いた根管治療を行うことで、より質の高い根管治療をご提供しております。
治療直後の歯はしばらく痛みを生じる場合があります。できる限り安静にし、痛みが強ければ痛み止めを服用します。
また、根管治療後に普通に噛んでも強い痛みがある場合には、噛み合わせを調整することで噛む時に刺激を抑え、痛みを緩和できる場合がありますので、遠慮なくご相談ください。
根管治療は治療後の検診やメンテナンスも非常に重要です。当院では、治療後も患者さんの症状に合わせてフォローアップを行っております。患者さんの大切な歯の寿命を少しでも長く延ばしていけるよう、全力でサポートしてまいります。
マイクロスコープや拡大鏡を用いて歯の根の中を拡大し、感染部位を鮮明に映し出しながら、ファイル(リーマー)という専用器具で根管内の感染部位を除去します。
シリンジで根管の洗浄を行います。感染部位が大きい場合は超音波洗浄器を併用しながら洗浄します。この工程を数回繰り返して細菌を限りなく少ない状態をつくります。
根管内に薬剤を充填します。細菌が薬剤の隙間から根管内に侵入しないよう、緊密に詰め物を施します。
被せ物の土台となる支台(コア)を立てた後、歯の形と機能を補う被せ物を取りつけて治療は終了となります。定期的なメンテナンスにて経過を観察します。